滋賀県から吸収式令温水機について(暖房運転)

いよいよ冬を感じさせる寒さになって来ましたが本格的に暖房が必要になって来ました。

吸収式と言うと冷房のしくみに関しては関心のある方は多いと思いますが暖房については意外としっかりと理解していない事もあるみたいです。

吸収式冷温水発生機の冷房サイクルに関しては熱効率を高める為のしくみに多少の違いがあっても基本的な冷える仕組みに違いはありません。

しかし、暖房のしくみと言うか構造に関しては二通りあります。

一つは再生器(発生器)の頭に温水器と言う名の熱交換器がありそこで温水を作る方法でもう一つは冷房時に蒸発器として使っている部分を暖房時には温水器として使用する方法です。

どちらも基本的に温水器で温水が作られるしくみはいわゆる真空式温水ボイラーと同じで蒸気の凝縮熱で水の温度を上げています。

ただし、蒸発器を温水器として使用する場合は蒸発器に高温の蒸気を導くため切り替え弁にて吸収液の循環サイクルを変更する必要があります。

一般的に温水器を別に設けるとコストがかかる為蒸発器を暖房時には温水器として使用する事が多いようです。

また、特殊なケースでは冷水と温水を同時に取出す場合(同時供給型)は温水器を別に設ける必要があります。

そして暖房シーズンに保守点検の現場でよく受ける質問の1つに暖房運転時の真空状態についてです、暖房運転時に真空状態が悪化するとなぜ能力が落ちるのか?

密閉容器で圧力が上がる事が問題なのは容易に想像できますが温水を作る能力が下がるのはピンときにくいかもしれません。

先に蒸気の凝縮熱で水の温度を上げていると書きましたが、詳細に言うと吸収式に使われている吸収液は臭化リチウムの水溶液なので加熱する事で水溶液中の水が蒸発し水蒸気となります、そしてその水蒸気が温水器の伝熱管に接触し凝縮します、この時の凝縮熱で温水が作られるわけです。

要するに伝熱管の一定面積中により多くの水蒸気が接触する方がいいので空気やほかのガスで真空状態が悪くなるとそれらのガスに邪魔されて伝熱管に接触する水蒸気の量が少なくなるので能力が下がると言うことになります。

暖房シーズンのメンテナンス中に時々出会いますが真空状態が悪く中々温水温度が上がらない時に緊急に真空引きをすると感動するほどいっきに温水温度が上がり始める事があります、暖房運転中は基本的に真空引きは出来ませんが運転前の機内の温度が低い時に少し真空引きをしてあげるとより効率の良い運転ができますので暖房シーズン中も真空度にお気をつけ下さい。

 

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滋賀県から吸収式令温水機について(暖房運転)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 吉田博正 より:

     突然メールします。 吸収式冷温水発生器について教えて下さい。
    業務で冷温水発生器を運転管理をしています。運転記録を取っていますがその意味(各温度等)が理解しにくい
    ですので一つだけ教えて下さい。
    暖房運転中の外気負荷が変動した場合に「吸収器、再生器、蒸発器(温水器)」内でどのような熱の移動
    (吸熱、放熱)が行われいるのか教えて下さい。 宜しくお願いします。

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